転職は失敗すると大きな痛手を負います。よくあるのが早期離職ですね。早期離職が増えるほど、次の転職活動では選考合格率も採用条件も悪くなります。人事目線からはっきり言うと、大きなビハインドです。
そこで本記事では、明確な判断軸を持って企業を選択し、企業選びで失敗しないためのポイントをお伝えしていきます。
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企業選びに失敗してしまう大きな要因の一つは、企業を選択するための明確な判断基準がないことです。
明確な判断基準がないと、
・条件が良い
・口コミが良い
・人事が魅力的
・自己成長できそう
・ネームバリューがある
などの安易な理由で企業を選びがちになります。
そして、今は人材不足の時代ですから、企業もあの手この手でPRしてきます。良い給料、おもしろそうなSNS発信、魅力的なWebサイトなど、うまそうな話に乗って失敗するケースが多発しているのです。
いくら魅力的に見えたとしても、今から紹介する「離職や不満につながりやすい落とし穴」だけは避けていきましょう。
ポイント1:目標設定
企業選びのポイント1は、目標が不明確な会社は避けることです。
ここにおける目標とは、会社から個人に与えられる目標のことです。会社全体の目標ではありません。
基本的に、定量的な目標を与えられる会社の方がベターです。なぜなら、前進感を得やすいからです。人間は、前進感を実感できるとモチベーションが上がると分かっています。
また、不明確な目標では、コミュニケーションエラーを招く可能性が高いです。
例えば、上司からテレアポの仕事を依頼されたとしましょう。
「今日は午後からテレアポしておいて」
そう言われたら、あなたは何本電話をかけますか?
仮に70本電話をかけたとしましょう。
そして、そのことを上司に報告したら、こう返ってきました。
「70本!?最低100本はかけないとダメだよ!」
こんな風に言われたら、「すみません」と謝りつつ内心は、
(ふぁっ!?ふざけんな!最初から言え!)
ですよね。
だから不明確な目標は、コミュニケーションエラーを招いたり、前進感が薄れてモチベーションが上がりにくかったり、デメリットしかありません。
説明会や面接では、もし入社した場合に与えられる目標を必ず確認しておきましょう。
ポイント2:評価基準
ポイント2つ目は、評価基準が曖昧な会社は避けることです。
1つ目のポイントと似ていますが、少し異なります。
もしも、目標達成率100%のあなたよりも、目標達成率70%のBさんの方が評価が良かったらどう思いますか?
嫌ですよね。
基本的に評価は、目標の達成率に準じるべきです。
学校のテストと同じです。テストの点数が高い人の方が通信簿の成績も高くなるように、不平等のない評価が大事です。
「会社の行動指針に沿って行動できているか?」などの評価基準を耳にすることもありますが、100%上司の個人的な見解・感情が入ります。つまり、結果を出していない人が評価される隙が残っているということです。
不平等な会社で頑張れるほど人間は強くないと思います。
評価基準に曖昧性がないか、確認するようにしましょう。
ポイント3:通勤時間
ポイント3つ目は、通勤時間が短い会社を選ぶことです。
マストではないですが、ベターな項目となります。そして、地味ですが結構大事です(笑)
人事経験上、通勤時間2時間前後くらいから早期離職が増えました。本人も分かって入社してるはずなのですが、やっぱりしんどくなるんでしょうね。
また、科学的な側面から言えば、通勤時間が長い人ほど肥満率や離婚率が高いという傾向があったり、通勤時間が1分増えるごとに運動時間は0.0257分ずつ、睡眠時間は0.2205分ずつ少なくなるというデータがあったりします。
通勤時間を有効活用する自信がない限りは、最小化した方が良いと言えます。
ポイント4:人間関係
ポイント4つ目は、言わずもがなですが人間関係です。
特に、友人になれそうな人がいるかどうかを見極めてください。
アメリカでおこなわれた、500万人を対象にした人間関係と仕事の満足度の調査によると、
- 職場に3人以上の友達がいる人は人生の満足度が96%も上がり、同時に自分の給料への満足度は2倍になる。
- 職場に最高の友人がいる場合は、 仕事のモチベーションが7倍になり、作業スピードが上がる。
というデータが出ています。しかも、もらえる給料が変わらなくてもです。
人間関係については、面接の場面ではなかなか判断が難しいので、内定をもらったあとにスタッフ交流の機会を設けてもらって判断していきましょう。
ポイント5:転職の目的
ポイント5つ目は、自分自身の揺るぎない目標の達成に近づくと確信できる環境を選ぶことです。
これが、最も大事な要素となります。
そもそも転職という行為は、なにかしらの目的達成の手段ですよね。そのため、目的に合わせて会社を選ぶ必要があります。
ちなみに、不満解消のための転職はオススメしてません。
なぜなら、どんな会社でも必ずと言っていいほど不満は出てくるものだからです。もぐら叩きにしかなりません。
そこで大事になるのが、揺るぎない目標です。
揺るぎない目標は、「不満を解消するため」というネガティブな目的ではなく、「夢に一歩でも近づくため」というポジティブな目的やワクワク感をつくってくれる存在です。
もしも、揺るぎない目標がなければ、まずはそこから見直しましょう。
※下記の記事で「揺るぎない目標の立て方」を解説しています。
そして、揺るぎない目標を見つけたら、目標達成に近づくと確信できる環境を必ず選びましょう。
前進感を得ることが仕事のモチベーションになると前述しましたが、自分自身の目標の達成とは無関係な仕事ほどモヤモヤするものはありません。
魅力的な条件や仕事があったとしても、目的から逸れる選択は避けるようにしてください。
企業選びに、完璧な正解はありません。入社前にその会社のすべてを知ることはできませんし、世の中にある企業すべてを1社ずつ見て決めるなんてこともできませんから。つまり、転職活動はどうしても不確定要素がつきまとうものなのです。これだけは逃げられません。
だからこそ大事な視点が、自分の行動で選択を正解に変えていくという視点です。
決して、入社早々で正解・不正解を判断しないでください。入社後における自分の行動次第でいくらでも正解になり得ます。そして、自分の行動で正解に変えられた時は、あなた自身が大きく成長している時でしょう。